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未来を担う若者を後押し! アスパラガス農家『farm-next』がインターンシップで伝える農業のおもしろさ

農業のリアルに迫るインターンシップ

那須連山を望む『farm-next』のアスパラガス畑。ビニールハウスには収穫を体験する学生の姿がありました。大学で農業と食の課題を調査研究する中で、『farm-next』の取り組みに興味を持った学生に、ぜひ現場を見てほしいという思いから2日間のインターンシップが実現しました。

代表・佐藤潤一さんがインターンシップを開催した理由。それは、担い手の育成には若者の農業に対するリアルな学びを支援する必要があると感じたからです。

「農業は理想と現実のギャップがすごく大きい職業です。志を持って就農しても辞めてしまう人をたくさん見てきました。だから、将来、農業に関わる若い人たちにこそ、リアルな現場を体験してほしい。吸収できることがたくさんあり、自分のやりたいことを確かめる機会になるはずです」。

「若者へリアルな学びを提供したい」と語る佐藤さん

佐藤さんは、実家の農業を継いで以来、食味のよいアスパラガス作りを追求しています。えぐみをなくすために窒素施用を控え、有機肥料を与える栽培方法で、量より質を優先してきました。しかし、出荷された作物の外見だけでは、生産者のこだわりや理念は伝わりません。商品価値を理解してもらうために、直販ルートの開拓や情報発信にも取り組んでいます。

「異常気象、病害虫、人件費高騰など、課題ばかりで儲からないと言う人は多いけど、それならどうしたらいいのか、考えてやってみることが農業のおもしろさだと私は思うんです」と、佐藤さんはさまざまな困難に前向きに挑戦してきました。

『farm-next』のインターンシップは、単なる農業体験では終わりません。プロの農家と一緒にこれからの農業経営を考える2日間のプログラムです。

考えてやってみる試行錯誤のおもしろさ
インターンシップ1日目の様子

1日目のテーマは、『farm-next』の取り組みについて。アスパラガス農家での体験は初めてという学生の質問に、佐藤さんが生産者かつ経営者の視点で答えました。学生のみなさんに、印象に残ったことを聞いてみました。

「一般的にアスパラガス栽培は、生長速度や収量、規格が重視されると聞いて、大規模でありながら食味を重視した栽培方法の開発の難しさがわかりました。毎年、気象条件は異なり、その年に病気を解決しても翌年また違う病気が出たりするけれど、試行錯誤を繰り返してうまくいくことが楽しいという言葉が印象的でした」と中山結さん。

「アスパラガスは土の養分で味が変わったり、病気がつきやすかったりと、すごく手間暇がかかる作物。値段が高い理由が納得できました。実際に農園に来てみなければ、わからないことがたくさんあります。農家さんの考え方もそうです。佐藤さんやスタッフの方と接する機会を得て、学生として自分が取り組むべきことが見つかりました」と岩本真夏さん。

収穫に汗を流す中山さん(左)と岩本さん

「自然災害などで農業は努力しても報われないことがあるけれど、それも含めて壁があるからこそ飽きないし、これ以上におもしろい産業はないという佐藤さんが、かっこいいと思いました。迷っているなら行動してみることを強く押していただき、考えてばかりの自分には大きな気づきになりました」と川島愛美さん。

アスパラガスを収穫する川島さん

佐藤さんの農業との向き合う姿勢が、将来を模索する学生のモチベーションアップと自己実現のマインドセットになったようです。

情報をシェアして高め合える農業の未来へ

夕刻、キャンプスタイルで行われたフィードバックで、学生のみなさんが今後の抱負を語ってくれました。

「食育をやりたいと佐藤さんに話しました。これからの農業にとってとてもいい考えだと思う、と実際に農業をしている人に肯定してもらえたことでチャレンジ精神が生まれて、道が広がりました」と岩本さん。

「農業体験をする先々で、農家さんのこだわりの違いを感じます。一人ひとりのこだわりや、たくさんの異なる意見を吸収して、自分にしかないものを見つけていきたいです」と中山さん。

「植物病理学の研究をしています。漠然と食品業界への就職を考えていましたが、農家さんの役に立ちたいという思いが強く芽生える貴重な体験になりました。座学と実習を掛け合わせて、課題の改善を手助けできる人材になりたいです」と川島さん。

締め括りは、佐藤さんから学生へのエールです。

「たくさんの課題がある時代だからこそ、いろいろなことに挑戦してほしい。何度、失敗してもいい。そのたびに振り返ってどうすればいいか考えることに価値があります」。

「いろいろなことに挑戦してほしい」とエールを送る佐藤さん

2日目は農業経営をテーマに、畑のブランディングについて企画・立案。今後、学生に限らず、新規就農者、農業継承など、それぞれに合わせたプログラムを用意していくそうです。

佐藤さんは、実現したい農業の未来を「情報のシェア」だと語ります。

「個人農家が弱みは情報です。農業法人でも個々の農家をグループ化して仲間意識を持ってやっているところが成功しています。成功も失敗も出し惜しみせず、情報をシェアすることが農業の底上げになります」。

 

インターンシップの立ち上げは、農園をオープンにして情報をシェアする試みでもあります。将来を考え、学び合える場として、『farm-next』を訪れてみてはいかがでしょうか。インターン生のほか、共に働く仲間も募集中。アスパラガスづくりを通して、農業がさらに好きになることでしょう。

【お問合せ】

farm-next

〒324-0401 栃木県大田原市狭原1223-113

TEL080-1282-6585

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