新規就農者

[未来人材プラス]米国仕込みの栽培技術 地ビール、民宿展開も ホップで地域おこし 新潟県十日町市・山家悠平さん(35)

 新潟県十日町市で稲作とホップ栽培に取り組む山家悠平さん(35)は、米国での海外農業研修でホップの技術を学び、ビールを通じた地域の活性化に取り組んでいる。地元のブルワリーとビールを造り、観光客への売り込みを狙う。

 山間の畑で高さ3・8メートルの脚立に上り、ホップを収穫する山家さん。10アールに10品種、500株を栽培し、7、8月に収穫する。生産は今年で5年目。「ビールを造るところから手掛けたいが、農家として原料を供給することも面白いと思った」と語る。

 大学の農学部を卒業して化学メーカーに就職したが、しばらくして地元のために働きたいという思いが芽生えた。農家の9代目で、当初は継ごうと思っていなかったが、先祖代々の土地を守りたいと考えるようになった。

 学生時代にポスターで見た海外研修に興味を持っていたため、米国への研修を希望した。「もともとビールが好きで、米国に行けばクラフトビールが学べると考えた」と話す。

 2016年3月から1年半、オレゴン州へ国際農業者交流協会の海外農業研修制度を活用して留学。併せて、青年就農給付金の準備型(現在は農業次世代人材投資資金の就農準備資金)も受け、滞在時の費用に充てた。研修中に培った人脈はホップの栽培技術だけでなく、日本で栽培するための苗の入手にも役立った。

 17年の帰国後は、農業次世代人材投資資金の経営開始資金を利用して、ホップ栽培に使う単管パイプやワイヤの購入に使った。

 山家さんは、十日町市の市議会議員も務める。同市を中心に展開される国際芸術祭「大地の芸術祭」は50万人を集めるが、「泊まって楽しんでもらえる場所が多くない」(山家さん)。今後は空き家を使った農家民宿を展開し、ビールも売りにしたい考えだ。

 

鈴木さんが留学の際に活用した国際農業者交流協会のウェブサイトはこちら

https://jaec.org/

農業次世代人材投資資金の解説ページはこちら

https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/roudou.html