新規就農者

[未来人材プラス]年間13万本目標にアスチルベ出荷開始 力合わせ成果得たい 長崎県佐世保市・浦修平さん(33)

 長崎県佐世保市で花きを生産する浦修平さん(33)は、JAながさき西海を退職し、本年度から親元就農した。アスチルベやセンニチコウなど70アールで生産し、産地振興に貢献する。将来は雇用も視野に入れながら、家族との時間を大切にできる生産体制を目指す。

 実家はキンギョソウやストックに加え、盆向けの草花も作ってきた。幼少期から「将来農業をするだろう」と考えたが、就農のイメージはあいまいだった。「少しでも農業の実態を勉強したい」と宮崎大学農学部に進学し、農業機械や土壌分析など幅広く学んだ。

 卒業後は「地元に戻り農業関係の仕事を」と、同JAに就職。1年間金融部門を担当した後、8年間、営農指導員を務めた。花き、野菜など一通りの品目を経験し、「農業の技術は農家と畑で話しながら学んだ」。

 昨年、キンギョソウの一部をアスチルベに転換。年間13万本を目標に出荷を始めた。父、和夫さんの70歳を期に4月に本格的に就農した。研修で定期的に圃場(ほじょう)を離れる市の新規就農者支援事業は使わず、圃場の性質に適した栽培技術を和夫さんから学ぶ。品目転換の際の設備更新に、県や市の補助事業を活用した。

 現在、同JA日宇花卉(かき)生産組合と同JAアスチュルベ部会に所属する。同部会は生産量全国一の産地。定評ある染めの技術をセンニチコウに応用し、浦さんの圃場でも複数品種を栽培する。初めてアスチルベに取り組んだ昨年作は出荷の多い時期に手が足りず、病害虫も発生した。目下、計画的な作付けで時間や労力を平均化することが課題だ。

 3年前に第1子が誕生した。家族との十分な時間を確保し、健康で長く続けるために、近い将来従業員の雇用も検討する。「誰かが頑張り過ぎることなく、力を合わせて大きな成果を得られるよう整えたい」と持続可能な経営を目指す。

 

浦さんが設備を導入する際に活用した「次代につなぐ産地生産基盤応援事業」など、県の主な補助事業を紹介する長崎県新規就農相談センターのページはこちら。

https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/nagasaki-syunou/start/support/#t2