新規就農者

収量アップが楽しい 岩手県一関市・ミニトマト栽培 佐藤大輔さん(46)

 一関市千厩町の佐藤大輔さん(46)は、ミニトマト栽培を始めて3年目になる。

 高等専門学校を卒業後、大学で機械工学を学び、一関市内の企業に就職したが、関東の関連企業に出向となり地元を離れた。

 両親は、原木シイタケを栽培する農家で、東日本大震災の東京電力福島第1原子力発電所事故の影響を受けたが、出荷制限が解除されると栽培を再開していた。

 家族と離れて暮らす日々が長くなるにつれ、「いつかは実家の農業を継承したい」と考えるようになった。新規就農相談窓口に足を運び、原木シイタケの継承と経営の多角化について相談し、担当していた仕事が一段落したのを機に退職した。

 研修制度を利用し、1年間栽培技術を学びながら農地や品目の選定を検討していたところに、「岩手県産地パワーアップ事業」によるハウス導入を提案され、活用することを決めた。

 駐車場だった土地を活用するため養液栽培システム「うぃずOne」を利用し、少ない面積でも収量を上げられるミニトマトを選択し、2021年栽培をスタートさせた。

 1年目、2年目は収量目標をクリアしたが、栽培終了時には多くの課題が残った。「来年はもっと良くしようの繰り返し。課題をクリアして10アール当たり収量を上げていくことが楽しい」と前向きに捉えている。

 就農時の目標は、ミニトマトと原木シイタケ栽培の両立。ミニトマト栽培が軌道に乗り、「今後は、原木シイタケの作業も増やしていきたい」と、栽培技術の向上と経営の効率化に努めている。

 

 

▼佐藤さんが活用した「岩手県産地パワーアップ事業」に関するウェブサイトはこちら

https://www.pref.iwate.jp/sangyoukoyou/nougyou/seisan/1007649.html