ブルーベリーに力

　埼玉県美里町でブルーベリーと露地野菜を１・４ヘクタールで栽培する櫻井智紀さん（３５）は、新規就農を目指す人に活用してもらおうと、町の農業の情報発信に力を入れている。

　櫻井さんは食品関係に勤めた後、６年前にＵターン就農した。町に新規就農者を誘致しようと、就農に必要な農業のデータや苦労した点などをまとめた「美里町農業スタートガイド」を作成した。

　ガイドでは町内農家へのインタビューや主力農産物の収支を数値化し、１０分間のスライドにした。この取り組みは、第２８回埼玉県農業青年研究大会プロジェクト発表の部で優秀賞を受賞した。

　櫻井さんは、ブルーベリー「ティフブルー」「デューク」など８品種を育てる。新たにピンクで早生の「ピンクレモネード」、中生の「フロリダローズ」を６０本植え、今年から収穫し限定販売する。

　土づくりにもこだわり、圃場（ほじょう）に作溝して水と空気を浸透・循環させることで、良い根を張る工夫をしている。

　櫻井さんは「ピンクのブルーベリーで美里町をＰＲし、日本を代表する生産者になりたい」と話した。