新規就農者

夏秋イチゴで新規就農の夢かなう 長野県富士見町・後藤純哉さん(42)

JA信州諏訪・小平組合長が激励

 富士見町の後藤純哉さん(42)は2023年度、夏秋イチゴ生産者として新規就農の夢をかなえた。原村のハウス2棟(計5・4アール)で生産し、7月中旬に初出荷。JA信州諏訪の小平淳組合長が圃場(ほじょう)を訪れ、地域農業の担い手としての活躍に期待を込め、激励した。

 ハウスはJA原村営農センターが施工し、今年1月に完成。23年度は11月末まで従業員と2人で毎日出荷する。品種は「すずあかね」。花持ちが良く大粒で、和・洋菓子に多く使われている。来年からは、ハウスをさらに1棟増やす計画だ。

 後藤さんは地元諏訪地域の高校から県外の大学に進み、就職。2007年、帰郷して製造業で再就職したが「天候に左右され、計算のできない農業」に魅力を感じ、農業法人へ。複数の農家で栽培技術も学び、夏秋イチゴ農家になることを決心した。「地元の冷涼な気候を生かして営農ができ、希少価値の高い作物」だと思ったからだ。

 実習期間中、先輩農家から言われた「イチゴ栽培は子育てと同じ。一粒一粒が自分の子どもだと思って、ハウスの温度管理など常に気を配ってほしい」という言葉を心に留めている。

 妻と子ども2人の4人家族。パティシエを目指す長女とは、収穫したイチゴを使い「生チョコイチゴタルト」「イチゴ入りシュークリーム」を一緒に調理したという。「娘とのスイーツ作りが楽しみ」と笑顔を浮かべる。

 今後の目標は「将来にわたってイチゴ農家として生活すること。おいしいと言ってくれる消費者の顔を思い浮かべながら栽培に励みたい」と語る。

 小平組合長は「見事な出来。苦労もあると思うが、夏秋イチゴは諏訪地域の気候に合った品目。早く軌道に乗せて安定生産と規模拡大へ頑張ってほしい」と激励した。

 

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