新規就農者
地元の高知県香美市香北町で大葉を栽培する、就農2年目の小笠原章浩さん(39)。大学卒業後は企業に就職したが、ニラ農家の友人とたわいもない会話から農業に引かれ、「面白そう」と就農を決意した。
両親は農家ではなかったため、県立農業担い手育成センターでの3カ月間研修し知識を習得。その間、品目などを相談していた県職員から、「香北町で大葉栽培を辞める人がいるのでその後をやってみないか」と勧められ、大葉の栽培を決めた。
現在は、収穫作業に外国からの実習生2人を含む3人を雇用し、小笠原さんは出荷や次期作の準備を行いながら、技術の向上と経営に集中している。「1年が経過し、まずは教わった通りの栽培管理の徹底と、栽培面積に対する目標収量の達成を目指し、日々奮闘している。教わったことに加えて自分のやり方を見つけていきたい」と笑顔で話す。
「ハウス内での作業は、夏は負担がかかる。作業員の体調管理も大切な仕事の一つと捉え、水冷服の準備や小まめな休憩などを促し作業がスムーズに進むように心がけている」と従業員への配慮の大事さも実感している。
来年春ごろには、新たに圃場(ほじょう)を8アール広げ、従業員も2人増やす予定で準備をしている小笠原さん。拡張する圃場には養液栽培を導入し、畝立てや除草など作業の省力化と、土壌病害や連作障害を回避するよう計画している。
「ゆくゆくは温度・湿度をデータ化して蓄積し、生育管理の自動化に取り組みたい。圃場もさらに拡大し、どの時期も同じ規格・同じ量をコンスタントに出荷するのが最大の目標」と意気込む。
先輩農家の指導やアドバイスを元に走ってきた1年はあっという間だったという小笠原さん。目標の実現に向けまい進する姿は意欲に満ちあふれている。
ひとこと
農業はやりがいを感じられて面白い。自分の立てた目標に向かい足を止めることなく、どんどん進んでいきたい。
▼小笠原さんが研修した「高知県立農業担い手育成センター」のウェブサイトはこちら