新規就農者
館山市の島田晃汰さん(20)は、4月から親元就農で農業の道を歩み出した。成人に近づくにつれ将来を見据えたときに、野菜を栽培する祖父母や両親が生き生きと農作業に取り組む姿が浮かび、農業を志した。
就農を考え進学した県立農業大学校での経験も後押しになった。県内で水稲70ヘクタールを育てる農家の下で研修し、水管理や防除、施肥、天候を見ながらきめ細かく作業する大切さを学んだ。米の出来栄えや食味にも感動し、目指す農業が固まった。
JA安房や県安房農業事務所からネギの目標収量や軽トラックの作業車融資の助言を受けるなどして、4月に就農を果たした。
島田家は現在、ネギ1・6ヘクタール、スイカ60アール、水稲2ヘクタールを営む。特にネギは市場での評価も高い。かつてはブロッコリーを育てていたが、2019年の台風で大きな被害を受け、大雨や潮風に強いネギを主体にした。砂地の土壌にも適していて、栽培を強化している。
島田さんは「丹精して育てても規格外や廃棄せざるを得ない状況を目の当たりにしているが、加工などを試しながら販売につなげている。JAとも協力しながらみんなが笑顔になれる販売流通体制を築きたい」と話した。
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