新規就農者
北海道でも温暖少雪で知られる日高地方・新ひだか町の菊地慶さん(39)は、仲間づくりと農業の魅力発信に力を注ぐ。2018年4月に新規就農して、規模拡大を進め現在、ハウス10棟でミニトマトを生産する。地域活動にも積極的に携わりながら、先輩や新規就農仲間とともに「経営内容を向上させていきたい」と、今後を見据える。
菊地さんの出身は、酪農が盛んな日本最北端の村、猿払村だ。高校卒業後は愛知県の中京大学法学部に進学。建築関係の営業職などに就きながら、行政書士の資格を取得した。だが「望んでいた仕事内容とは違う」と感じるようになった。都会での生活に限界を感じ、北海道に戻ることを決意。自分で仕事の進め方を決められる自営業に就きたいと考えて仕事を探す中で、新ひだか町の手厚い新規就農支援制度を知った。
町の教育研修に参加。1年目は地元農家の下でミニトマト栽培の方法や流れを学び、2年目は町の研修施設で実際に栽培を経験。町の農業担い手育成支援協議会やJAしずないの支援を受けて、農地を確保して就農した。当初は農作業の勝手が分からず、人手も足りずに苦戦したが、JAを通じてアルバイトを確保して、今年はハウスの増棟も実現できた。
「先輩農家や同じ新規就農者の話を聞き、つながりを持てることが、とても楽しい」と話す。移住して、地域の温かさも知った。「新規就農者を温かく受け入れる風土があり、買い物や医療など生活面での利便性もある。この町に移住してよかった」と、笑顔を見せた。
研修中からJA青年部の活動に参加して、仲間の輪を広げている。近隣の小学校にミニトマトを植える“植育”活動や「農業まつり」などイベントへの参加、活動内容を紹介する動画配信サイト「ユーチューブ」の制作などにも積極的に取り組む日々を送っている。
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