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[未来人材プラス]建設業でのけが転機 Iターン ネギに挑戦 ものづくり、農で体現 秋田県にかほ市 佐藤光博さん(35)

 佐藤光博さん(35)は、東京から妻・まりえさんの実家がある秋田県にかほ市へ3年前に移住して、研修を経てネギ栽培を今年から始めた。野菜作りだけでなく、出荷調製機も自作するなど、得意とする「ものづくり」を実現できる農業に魅力を感じている。

 佐藤さんは都内で建設業をしていた。だが、仕事中に膝に大けがを負ってしまった。それが転機となり「ものづくりができ、無理せず自分のペースでできる農業をしよう」と決意。当時交際していた、まりえさんの実家のある同市に移住することにした。

 農業は未経験だった佐藤さん。そこで県の「未来農業のフロンティア育成研修」を受講。県の研究機関などで2年かけ、実技・実習を中心に栽培技術を学んだ。今春に研修を終えて営農を開始。現在はネギを30アールで栽培する。海沿いの低湿地という厳しい環境だが、収穫前のネギは青々と生えそろっていた。

 「作物だけでなく、空いた時間でさまざまなものをつくれる農業という職は、自分に合っている」と佐藤さん。建設業の経験と農業の知識を生かして、根切りや皮むき作業を1台でできる機器を自作した。すると完成度の高さから、研修先からも高く評価された。農業を通じて、好きなものづくりも楽しんでいる。

 収穫したネギは、JA秋田しんせいへの出荷に加えて、一部は地元の保育施設などにも納めている。「納品先は『これしか食べられないくらいおいしい』と言ってくれる。自分が作ったものを食べて喜んでもらえるのはうれしい」と、農業の魅力を実感するという。

 佐藤さんは来年以降、栽培面積を拡大させていく計画を描く。既に新たな畑を確保している。「せっかく作るからには、秋田で一番の品質の高さを誇るネギを作っていきたい」と、決意を語る。

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