新規就農者

[未来人材プラス]道農業 偉大さ気付き 脱サラして就農 消費者の反応 原動力 北海道岩見沢市 坂上健太さん(37)

 北海道岩見沢市幌向地区でミニトマトを中心にキュウリやカボチャなどを栽培する坂上健太さん(37)は、脱サラして農家になった。サラリーマン家庭で育ったが、関東などで、道農業の素晴らしさに気付いた。消費者の声を励みに新規就農者として歩み始めた。

 大学生まで札幌市で過ごし、ガソリンやエンジンオイルなどを販売する会社に就職した。営業担当となり、関東から北海道にかけて各地を転勤。10年ほど勤めた。

 関東では、フェアなどで道産野菜のおいしさと人気を知り「北海道自体がブランドとなっている」と実感。北海道に転勤すると、顧客に流通関係者が多く、道農業の市場規模の大きさに改めて気付いた。「自分で野菜を作って売れたら面白そう」と思った。

 学生時代から「自分で何かをやってみたい」という意識が強かった。会社員当時、仕事は順調だったが、多忙さが悩みだった。就農を決断した時、第一子の誕生もあり「家族ともっと一緒に過ごしたいと思った。この時決断しなければ、二度と挑戦できないと思った」と振り返る。

 就農場所は、札幌近郊を検討。岩見沢市での2泊3日の農業体験研修に参加した。研修農家での取れたて野菜のおいしさや加工品製造など6次化の取り組みに感激。農家になる覚悟を固め、会社を退職した。

 その後、市内の親方農家の下でさらに営農を学習。試験農場での栽培など3年間の研修を経て昨年度、親方の家の近くで新規就農した。

 営農は大変だが、消費者の反応がやりがいだ。「自分の作った農産物を選んでもらい『おいしい』と言われることがうれしい」と話す。

 現在、農地1ヘクタールにハウス5棟を持ち、ミニトマトやキュウリなどを栽培する。将来的には、現状の2倍程度まで規模を拡大したい考えだ。さらに「加工品も手掛けてみたい」と希望を語る。

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