新規就農者
愛媛県今治市の小泉祐輔さん(40)は、Uターン就農して8年目を迎える。キュウリ1ヘクタール、イチゴ20アール、ラナンキュラス10アールを栽培する。大阪、滋賀などで衣類や不動産などの営業職として勤務。その後、松山市でそば店やカフェの経営を経験して農業の道に進んだ。売り上げ1億円を目標に日々奮闘する。
営業職時代の10年は、休みがなく激務だった。その後の飲食店の運営では、どれだけ頑張っても客席数が決まっており限界が見えていた。
「頑張れば頑張るほど成果が出る職業」を探していたところ、地元の農家の友人に勧められ2013年に就農した。飲食店を運営する中で「より素材に近づいた方が販売先の選択肢が広いのではないか」と感じていた。
実家は鉄工所で土地や農機など何もなかった。全て自己資金で始めた。1年目は友人のつてで松山市、久万高原町や今治市などで土地を借り、シキミを栽培。ただ園地が遠く不便で管理ができなかった。小泉さんは「お金を捨てたようなもの」と、当時を振り返る。
出身地・今治市の菊間で改めて営農を始めた。「地元で知り合いが多くやりやすかった」と小泉さん。花農家の友人の紹介で農地を借り、1アールでラナンキュラスの栽培を始め10アールまで拡大した。
5年前にキュウリ、4年前からイチゴの栽培も始めた。地元の人に教えてもらいながら面積を拡大。キュウリは1ヘクタール、イチゴは20アールにまで成長した。従業員2人とアルバイト12人を雇う。
一層の規模拡大に向け現在、新たな農地や品目を選定している。この先10年で、売り上げ1億円を目指す。小泉さんは「農業は頑張っただけ成果が出る。毎年新たな発見があり飽きが来ない」と、魅力を語る。