新規就農者
北海道富良野市山部地区の上野進一郎さん(40)は、調理師からメロン農家に転身した。全国屈指のメロン産地・JAふらので農業を始めて10年目。地区をけん引する若手リーダーに成長した。
東京都出身の上野さん。大学卒業後、都内の飲食店で調理師として2年半ほど働いた後、農業のものづくりの興味と魅力に気持ちを動かされて農業への道を決断した。「農業をするなら北海道でやりたい」と考えた。春から秋までは十勝地方のブロッコリー農家に住み込みで働き、冬は東京の元の職場で調理師のアルバイトをする生活を2年ほどして、3年目に北海道に移住した。
就農支援が充実していた富良野市から同地区の紹介を受けて、農家の研修生として技術指導を受け2年間研修を積んだ後、居抜き継承の形で、2015年に新規就農した。
研修期間から就農までは就農支援資金や各種支援資金などの補助が営農を支えた。生活費や就農準備などへ充てた。各種事業とJAや地区の農家、行政などのサポートが、移住から定住、就農から経営安定までの大きな支えになった。
主体作物はJA特産のメロン。“職人技”が必要となる作物で「習得のため毎日が勉強の連続だった」と振り返る。現在は、小麦2・1ヘクタール、メロン90アール、スイートコーン他で80アールを栽培。全部で3・8ヘクタールの農地で農業に励む。農地は、農地保有合理化事業制度を使い、取得した。
この土地へ来て10年目。地域にもなじみ、昨年は地区の農事組合長も経験した。「基本的な考えは『土があれば農業はできる』。何を作ろうかではなく、農業をしようという気持ちで頑張っている」と、土と向き合う日々だ。
富良野市で就農したいときに役立つ富良野市農業担い手育成機構のサイトはこちら