新規就農者

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品質第一へ勉強 イチゴ栽培の高松市・鎌倉良光さん(27)

 高松市春日町の鎌倉良光さん(27)は、イチゴ「さぬきひめ」を栽培する就農2年目の新規農業者だ。

 幼い頃、JAで営農指導をする父の背中を見て「いつかはイチゴを作ってみたい」という思いを持っていた。就職後もイチゴ栽培への思いを持ち続けた。取れたてのイチゴを食べ非常に感銘を受けたこと、その生産者が農業経営から近くリタイアするため後継者を探していたことから、作付けの知識は全くなかったが、思い切って就農を決意した。2021年4月JA香川県の農業インターン生として1年間の研修を経て、22年4月、イチゴ経営を引き継ぐ形で就農した。

 イチゴ「さぬきひめ」40アールをハウス栽培する。ハウスは借り受けたことで、必要な設備はそろい、比較的スムーズに栽培を始めることができた。

 中でも出荷作業は忙しく、毎日、葉かき、収穫、パック詰めに追われている。作業は日の出から始め、クリスマスムードの高まるイチゴ需要期には日付が変わるまで作業が続くこともしばしばあった。2月ごろからは、出荷の最盛期に合わせ7人体制で分業する。

 1年目は失敗の連続だった。早めの予防対策はしていたものの、うどんこ病などに見舞われ、計画収量を確保することができなかった。しかし、2年目は一層の予防管理を徹底し、病害抑制効果が期待できる紫外線を当てる「UV―B照射」を活用したことで、収量、品質ともに順調に出荷できている。

 農業インターン生の時から現在に至るまで、鎌倉さんは必死で見聞きしたことをメモした。「ハウスを借りた生産者が作っていたイチゴの質は絶対落とさない」ことを心情に、栽培においては、日々の努力と改善を重ね、より良いイチゴを作るために試行錯誤を繰り返している。

 イチゴのクオリティーは維持し、「きれいでいつ食べてもいつもおいしい」と言われるような品質を目指す。「イチゴは、栽培が難しいが、手をかけることでどんどんおいしくなる果実。おいしいイチゴをどんどん消費者に届けたい」