新規就農者

新規就農者

5年以内に自分の農業を 海外巡り日本の食材のおいしさ気付いた 長野・茅野市出身の矢崎和樹さん(27)

 長野県茅野市出身の矢崎和樹さん(27)は今年4月、ブロッコリー農家として新規就農した。「海外を巡り、日本の食材のおいしさに気付いた」ことがきっかけとなり、県の新規就農里親研修を使い栽培技術を一から習得。里親農家から教わった“感謝”の気持ちを胸に、一人前の農家を目指す。

 矢崎さんは高校卒業後、国のワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアへ渡航。農場や飲食店で1年間働いた後、北海道のホテルで2年間勤務。その後、カナダへ渡り、不動産業務や大学生活を経験。新型コロナウイルス感染拡大を機に日本へ戻った。

 帰国後、日本の食材のおいしさを実感。「自然豊かで魅力ある地元で、自分も農産物を栽培してみたい」と思ったという。

 友人が里親研修制度でパセリ農家となったことを知り、茅野市農林課に相談。JAの新規就農窓口や農業農村支援センターを紹介され、サポートを受けながら準備を進めた。

 原村のブロッコリー農家、菊池磯八さん(67)が里親となった。菊池さんからは栽培技術だけでなく「地域の人のおかげで農業ができる。感謝の気持ちを忘れないように」など精神面でも多くのことを学んだという。

 矢崎さんは今年4月に独立。原村と茅野市で借り受けた圃場(ほじょう)計2ヘクタールでブロッコリーの栽培を始めた。定植はこれまで2回実施。初日は機械の不具合があり、先輩農家の支援を受けたが、2回目は友人と2人でスムーズに作業が進み、霜対策のトンネル設置や、防除もできた。

 初出荷は6月中旬を予定しており、年間4000ケース(1ケース4キロ)をJAに出荷することが目標。矢崎さんは「仕事に向き合い、反省を次年度に生かせる一年にしたい。5年以内に自分の農業を確立したい」と今後を見据える。

 

▼里親研修を含む茅野市の新規就農情報・就農者募集のウェブサイトはこちら

https://www.city.chino.lg.jp/soshiki/nourin/1539.html