新規就農者
茨城県東海村の辻本嘉大さん(55)は気象庁を早期退職し、2年前に就農した。干し芋用サツマイモ、ラッカセイなどを手がける。就農前は、気象庁の地域防災官として全国各地や茨城県内の災害現場、関係自治体へ足を運んだ。
農業への興味は前からあり、干し芋を作りたいと思っていたという。2018年に県の農業体験ツアーに参加。日本農業実践学園で種まきや野菜作りをした体験が就農への大きなきっかけになり、20年から1年間、農業実践力養成科で学んだ。
辻本さんは「知り合いが土地を貸してくれ、家庭菜園から始めた。親戚も土地を貸してくれた。スタートに恵まれた」と振り返る。
サツマイモは約50アールで「べにはるか」を主力に生産。今年は「シルクスイート」を導入した。ラッカセイは約15アールで「ナカテユタカ」と「オオマサリ」を作る。
干し芋用の「べにはるか」は同学園の加工場で商品化。ダイレクトメールなどを通じて注文を呼びかけ、販売する。生芋はJAの直売所で売る。「ナカテユタカ」は、商品の包装に「日農SPIRIT!」と記載し「つじもと農園の煎り落花生」として販売する。
4月、東海村から新規就農者に認定された。辻本さんは「貯蔵倉庫を建て、農地は1ヘクタールに増やして安定生産したい」と力を込める。実践学園の籾山旭太学園長は「地域に愛される農業者になってほしい。50代就農をサポートしたい」と話した。
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