新規就農者
東京で講演 「品目選び重要」
昨年、独立就農をした茅野市のパセリ農家、古川竜生さん(27)は9月中旬、東京・銀座で講演をした。長野県での就農に関心を持つ首都圏在住者や、関係者ら約20人が参加した。農家を目指したきっかけや独立までの道のり、今後の展望を話し、就農に向けて助言。茅野市での農業や暮らしの魅力を語った。
県と県農業担い手育成基金の共催。2023年度の「新規就農セミナー&就農相談会」の第4回として、県のアンテナショップ「銀座NAGANO」で開いた。
古川さんは同市の出身。東京農業大学で農学や経営学に関心を持ち、卒業後は米国カリフォルニア州での農業研修に参加。地元での就農を考え、JA信州諏訪や市農林課と相談した。単位収量が比較的高い軽量品目としてパセリの栽培を勧められ、20年から原村の農家で研修し、22年に独立した。
講演では写真や図を使いながら、パセリ栽培の年間スケジュールや収穫までの栽培法、管理・出荷作業を紹介。26年までの経営計画や設備投資額も示した。
今年は母と2人で、ハウス計15アール(前年比7アール増)で栽培。26年までに作付面積を30アールに拡大し、他品目の栽培、加工品作りにも着手する予定だ。農業の担い手確保、農地の活用、地域の活性化などの活動も積極的にしていくとも話した。
就農に向けたアドバイスでは「農家になる目的と、どのような農家を目指すかを明確にしてほしい」と述べ、品目選びが重要だと強調。パセリを例に挙げ「他の品目に比べて所得率が高いが、栽培管理で人手が足りなくなるので規模拡大は難しいなどデメリットもある。周りの意見を聞き、自分に合った品目を総合的に判断してほしい」と話した。
茅野市での農家生活については「自然の中で、地域の皆さんと交流しながら充実した日々を過ごしている。私も始めたばかりだが、新規就農者を支えたい。一緒に地域を盛り上げよう」と呼びかけた。
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