新規就農者

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[未来人材プラス]サーファー農家 ピーマン栽培、軌道に 規模拡大へ“波”つかむ 宮崎県西都市 里村健吾さん(42)

 宮崎県西都市のサーファー農家・里村健吾さん(42)は、日向灘の波にひかれて福岡市から移り住んで就農した。ピーマンをハウス26アールで栽培。細かい栽培管理を心掛け、品質は生産部会員の中でも評価が高い。人手の必要な収穫作業は、サーフィン仲間が協力。趣味で培った人脈にも助けられて規模拡大の“波”に乗ろうと奮闘する。

 サーフィンとの出合いは10代。町中で見掛けたサーファーの姿に憧れたこと。波乗りの「聖地」とされる宮崎県を訪れ、海と自然に魅了された。福岡県内のサーフボードの販売店に就職後、店の宮崎進出が決まると真っ先に手を挙げ、26歳で宮崎市へ移り住んだ。

 憧れの地で働く中、自然の近くで暮らしたい思いを強めた。マグロ漁師だった祖父を思い返し、退職して漁師を志すも新参者には壁が厚く断念。西都市のサーフィン仲間に農業を薦められた。

 市とJA西都による農家研修制度を使い、34歳から1年修業した。独立後は苦難の連続で「マルチの張り方も手探り。方法を間違って苗が蒸し焼きになりかけたこともある」と振り返る。就農2年目には台風でハウスが損壊。それでも近隣農家やJAから助言を受け、技術を高めて軌道に乗せた。

 管理と収穫は、葉の状態が良い早朝に行う。ハウスは、適切な時間に開閉するよう毎日細かく設定。病気の発生を抑えるため試行錯誤して導いた方法だ。2020年には天敵昆虫も導入した。取れたてのピーマンは、輝くほどのつやと張りがある。「良さを知ってもらうため、ネット販売にも挑戦したい」と意欲的だ。

 収穫はパートに加え、サーフィンで知り合った仲間が手伝う。「海で出会う人とは、すぐに意気投合できる」。現状は9月の植え付け以降、翌年5月の収穫終了まで休めない。「今後は雇用を含め規模拡大しワークライフバランスを充実させたい」と笑みを浮かべる。

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