新規就農者

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[未来人材プラス]自己資金ゼロから出発 JA・行政の支え感謝 伊達いちご広めたい 北海道伊達市・藤田明彦さん(41)

 北海道伊達市でイチゴを栽培する藤田明彦さん(41)は、地域からの手厚い支援に感謝しながら営農に励む。広島県福山市からの移住者だ。仲間と共に「伊達いちご」のブランド化に向けてまっしぐらだ。

 ハウスで、夏イチゴの植え付け準備に励む藤田さん。2020年に独立し「いちご屋 藤」を設立。初年はハウス3棟で3・5トン、21年は4・2トンを生産し、今春からハウスを4棟に増設した。

 藤田さんの父は会社員で農業とは無縁だった。小学生だった1993年、冷夏による米不足「平成の米騒動」が起こり、食料自給率や農業に興味を持った。酪農学園大学で農業経済を学んだ後、祖父の介護のため実家に戻り10年間、書店で働きながら大学時代に触れた「農業の楽しさ」を思い出していた。

 34歳の時に「やりたいことをやるための方向転換は35歳が限界では」と考えた。収益性の高さ、ブランド化のしやすさから果樹での就農を決意。就農相談イベントで伊達市の支援体制の手厚さを知った。「研修センター内にハウスがある。分からないことをすぐ親方(先進農家)や市職員に聞ける。研修期間中も市の臨時職員として給与が得られ、市営住宅も格安。独立時には資材購入の支援もある」と魅力を語る。

 JA伊達市の融資もあり「伊達だったからこそ自己資金ゼロから独立できた」と感謝する。親方が常に親身な指導をしてくれる他、市職員の巡回もきめ細かい。2月の記録的な大雪時は、十数人が駆け付け、深夜まで雪下ろしを手伝ってくれた。

 農業の魅力を「やった分だけ成果として返ってくること」と話す。つらいときも「これを頑張ればきっと甘く大きな実がなる」と考えると乗り越えられる。目標は伊達産イチゴのブランド化。「JAの部会の仲間と力を合わせ、将来『伊達いちご』と言えば誰もが知る存在にしたい」と語る。

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