新規就農者
愛媛県久万高原町の山路隼之介さん(27)は会社員から農家に転身し、トマト栽培を始めた。上司の知り合いだった栃木県のイチゴ農家と出会い、そこで学んだことが人生の転機となった。自然豊かで、研修制度が充実していることが同町を選んだ決め手だ。「まずは手取り300万円を目指して頑張りたい」と奮闘する。
大阪府岸和田市出身。新潟県の野生生物や環境調査などを学ぶアウトドア専門学校を卒業し、栃木県の環境調査会社に就職した。
上司と知り合いだった栃木県のイチゴ農家と出会い、休日に手伝いへ行くようになった。栽培技術を学びながら農業経営の話を聞き、「自分でも経営してみたい」と、18年に退職した。
その後1年間、茨城県の野菜農家でアルバイトをしながら、20~30品目の栽培を経験。収量や食味など工夫のできる作物に興味を持った。
移住先の選定には、東京で開催される新規就農向けのイベントを活用。愛媛県のブースで久万高原町と出会った。研修制度が充実していることと、自然に携わる仕事がしたい妻・稜子さん(30)にちょうどよい地域おこし協力隊の募集があり、決めた。
19年4月から久万農業公園アグリピアで2年間、トマト栽培を学び、21年に独立した。町から農業研修補助金として支給される毎月15万円を生活費に充てた。
現在、ハウス16アールでトマトと、4アールでサツマイモを栽培する。引退した農家のハウスを居抜きで使う。
研修中からトマトの生産部会に所属。新規就農者も多く、何でも聞きやすい。地域の人たちも何かと気にかけてくれるという。
山路さんは「夏秋トマトは栽培方法の違いにより、収量や食味などが変化しやすく、工夫しがいがある。冬は趣味のスノーボードを楽しみたい」とはにかんだ。
山路さんが栽培技術を学んだ久万農業公園アグリピアウェブサイトはこちら。
https://www.kumakogen.jp/site/agripia/